« 「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」最終回 | Main | アニメ 「バクマン。」 »

2010.08.16

アニメ「四畳半神話大系」

放送はとっくに終わってしまったのですが、ノイタミナのアニメ「四畳半神話大系」がもう、驚くほど良いアニメでした。

「四畳半神話大系」は森見登美彦さんの作品の中でもかなり地味な作品なので、森見登美彦さんが好きな故に制作発表時には「なぜ…」と思い。
中村佑介さんのキャラクター原案も、中村佑介さんの絵が好きな故に「それは動かせないのでは…」と思い。

うっすらと不安だけを感じて見始めたのですが、予想とまったく違う、というか「こんなアニメちょっと見たことない」系の斬新さでした。いや、話は地味なんですけど。


そもそも「四畳半神話大系」というのは、ただでさえダメになりがちな大学生の中でもずば抜けたダメさを発揮する「私」が、四畳半の借間をスタート地点としてキャンパスライフを開始するも、壊滅的なまでの惨状でバッドエンドを迎え、「あの時違う道を選んでいれば・・・」と思うたびにリセットされてイチからキャンパスライフをやり直す…という話で、それだけやり直せば一度くらい人も羨むような花道を歩んでもよさそうなものなのに、あらゆる道で微塵も輝かない、全編に渡って清々しいほど華々しくない物語なのです。

それが、アニメ第一話、開始5分で実写と合成したオープニングが流れたときにはもう、「これは絶対に面白い」と確信するほどの出来。
「『四畳半神話大系』アニメ化」と聞いて、だいたいの完成図を予想して見ている人のアゴを全部外してやろうとする、制作者のニヤニヤ顔が透けて見えるような小気味良さでした。


2話ではいきなり主人公がほぼ全裸で登場したのですが

200816_1

こんなにも大胆に脱いでいて、こんなにも差し障りのない雰囲気を漂わせる全裸ってのも鮮やかだと思いました。
ある意味「東のエデン」と真っ対照。


OP・EDの曲といい映像といい、同じことの繰り返しを飽きさせずに見せる作りといい、まったく美しくない日々だけを重ねたのになぜか感動の渦に巻き込まれる最終回といい、パーツのひとつひとつも全体の組み合わせのバランスも奇跡のような作品でしたが、特に主人公の「私」役の浅沼晋太郎さんの演技は素晴らしかったです。
普通なら台詞の多さに溺れそうなモノローグを、立て板に水で口上師のようにこなし、クライマックスの第10話では30分全てが浅沼さんの語りという物凄さ。

2話を越える壮絶な全裸を披露した最終話の裏ではUstreamで本人が出演し、「こんな長い時間全裸になったのは初めてだ。木村良平(「東のエデン」の滝沢朗役。知り合いらしい)にも言わないといけない」という麗しいコメントをつけておられました。

100816_2

もちろん、アニメにおいて何故か萌えキャラ扱いされる羽目になった小津、坂本真綾さんが「ぎょえええええ」の悲鳴をキメた明石さんなど、キャラ全員の素晴らしさは決して原作だけの力ではなかったです。


こんなに誉めてても、おそらく見て好きになった人の八割が「これは広くは流行らない」と思っていたと思うのですが、現代のアニメの裾野が広いからこそ、こういうものが1クール使って作れるのだなあと感心しました。本物の良作でした。


ちなみにコミケでは、「また阿呆なものを手に入れましたね」 「お前のせいで有意義なコミケが台無しになってしまった」という台詞付きのDVD宣伝用描き下ろしポスターが飾られていました。

100816_3

|

« 「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」最終回 | Main | アニメ 「バクマン。」 »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13201/49166598

Listed below are links to weblogs that reference アニメ「四畳半神話大系」:

« 「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」最終回 | Main | アニメ 「バクマン。」 »