2013.07.15

「銀の匙 Silver Spoon」アニメ化

「銀の匙 Silver Spoon」、アニメ化!
と聞いた時は「ああこんな連載途中に・・・急いだなサンデー」という気持ちしかありませんでしたが、「ノイタミナでアニメ化!」と言われると「やったぜ!」という気になるのがさすがノイタミナブランド。
しかし銀の匙アニメ化権をゲットした瞬間、再放送しかやらなくなったのはなぜなんだぜノイタミナ。
しかもアニメ放送前から銀の匙2期の発表とは。急いでないかノイタミナ。

そんな突っ込みはともかくとして、無事アニメはスタート。
ノイタミナ半年で唯一の新作という看板だけではなく、声優の内海賢二さんの遺作という肩書きも背負い、さらに現代の酪農の実態を伝えるという使命も背負い・・・お、おもい!重いな!!

という割にフツーのアニメでした。

そもそも銀の匙自体が学園漫画に酪農をプラスしたものなので、確かに最初を読んでみたら何がそんなにというような地味な漫画なんですが、これが最新刊の8巻にもなると読んでいて涙も吹き出るし、小学館漫画賞やマンガ大賞2012は獲るし、1000万部売れるしで、何がどうなってそうなったのかの過程がきちんとアニメで描けてればまずアニメ史には残るとは思います。

だって酪農してるんですよ!?
畜産業に真正面から踏み込むアニメなんて古今東西そう無いですよ!?
動物がいっぱい出てきて一見ほほえましいように見せかけて全部食うという直球展開ですよ!?

原作者の荒川弘さんは、あたかも普通の学園漫画を描くがごとくすべてをさらっと描いてますが、根本的には「生きていくとはどういうことか」ということが問い直し問い直しされて詰まっているので、アニメになって見る人が増えるだけでじゅうぶんに価値があることと思います。


でも本当に駄作って存在するので、なんとなく一話を見て一抹の不安を感じてもいるのですが、それはまあ強いて良くもなく悪くもなかったからなんだよな・・・が、がんばって・・・。

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2012.03.23

「3月のライオン」7巻

3月のライオンは始まった時点で「取り戻していく物語」という紹介がつけられていて、主人公が棋士の少年というところから、漠然とハチクロのような自分探し、兼、芸の求道の物語になるのだろうと思っていました。

それが、6巻7巻まで来たところで扱ってるテーマが、いじめ問題ですよ。

いじめ。
それはとてもデリケートで難しく一概に語れず双方の善悪もつけ難く、責めると傷つき励ますと落ち込み手を差し伸べると払われ何もしないと取り返しがつかないような!
あまりに複雑で繊細ゆえに、個々に思うところはあれど口に出して語ることすら昨今でははばかられるような!
恐ろしく深刻な社会的問題ですよ。

そしていじめを題材にしたフィクションは大抵、いかにそのいじめが酷いかを執拗に描写するため読んでいても吐き気がもよおされ、それを取り返すべく後半でいじめた人間が必要以上に罰を受けまくるか、それともいかにも現実らしさを装って被害者以外はまったく何も変わらず現実が続いていくかが多いような。

そんな領域にウミノさんがいきなり正面から踏み込んでいったのには目を疑いました。


結果。
話の上で最も苦しい、ひなちゃんの辛い日々には、主人公をしょって立つ零くんが、時にはピエロになり、時には王子様になって救いに登場。
そして決してうやむやにしないように、最後に何人も大人が現れ、こどもたちの心をひとつひとつ引き取っていく。

連載を読んでいたときは一話ごとに泣けると思っていましたが、ひとつの巻として構成されたあまりに圧倒的な一連の描かれ方に、単行本を読むと戦慄する思いがします。


3月のライオンはウミノさんの呼びかけで、ネットでたくさん感想が投げかけられるのですが、ちょうどひなちゃんと同い年くらいの子の感想だと
「ひなちゃん強い」「先生がいい人で良かった」「いじめっ子が全然反省してない」
みたいな風にこの話を「分かって」いるのが面白い。
ものすごく深い話なんだけど、その部分を分からなくても、ちゃんと話が漫画として「分かって」いる。
そしてきっといつかその子達が大きくなって読んだときに、きっとこの漫画はもっと違う形で「分かる」。

今回の話の一番すごいところは、「お友達をつくる3つのステップ」かもしれない。
最初に動物のお友達をつくる。
次に年が上のお友達をつくる。
最後に年の近い友だちをつくる。

心が傷ついたときには、自分より弱い者を傷つけたくなる。そして年の離れた人は、絶対に自分の気持ちを分かってはくれないと思う。そして自分に近い者の中で自分を解ってくれる人を探しに行く。
でも、自分と同じように未熟で、立っている所がほぼ同じだからこそ細かいところまで比べてしまう年の近い人は、本当はいちばん仲良くなるのは難しい。
弱い動物に優しくして仲良くなれば、自分に自信がつく。年上の人と仲良くなって可愛がってもらえば、他人が怖くなくなる。
確かにそういうステップを踏めばいいのだ。大人になった私はこのステップのあまりの的確さに息を飲む。
どこかで今夜ひとりぼっちの子がこの漫画を読んで、明日には動物のお友達を捜しにいくだろうか。

でもそんな即効性なんてなくていいのだ。
ウミノさんの漫画は、台詞で素晴らしいことをたくさんたくさん語るので、心に残ったことを挙げると、どうしても台詞の話になってしまう。
でもこの漫画では、ウミノさんが執拗に「頼れ、きっと誰かが助けてくれる」と何度も何度もサブリミナルのように語りかけているのを感じる。

そして、助けてくれる相手も完璧ではないのだ。保護者なのに倒れて保健室に行ってしまったり、「教育に「育てる」がなければ放り出すのに」と愚痴ったりする程度の人なのだ。
だから、完璧でなくても、「頼りにされたり」「助けたり」する側に回っても全然構わないのだ。もちろん結果的に「何の役に立てなくても」大丈夫なんだ。「世界は結果だけで回っているんじゃない」んだから。

こんなこと、言葉だけで言われたら、理想論過ぎてきっと受け入れられない。
それでもウミノさんは、水滴が石を穿つように、7巻かけて、読んだ人すべてが腑に落ちるところまでもってきたのだ。
そして、まだ続いていく。

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2010.11.16

アニメ 「バクマン。」

「バクマン。」がまさかのNHKでアニメ化。
と聞いたときは、うっすらダメだろうなーと思ってたのですが、何と監督として引っ張ってこられたのがカサヰケンイチさん。
あの「ハチミツとクローバー」の監督。「人が恋に落ちる瞬間」をアニメ化して、全国の青春スーツを脱ぎ捨てたはずの大人を悶絶させた監督。

というわけでフタを開けたアニメ「バクマン。」は、思いっきり恋愛を強調した青春学園モノになっていたのでした。そんなまさか!!


そもそも原作「バクマン。」の大きな引っかかる点として、まずサイコーとシュージンがどうも子供っぽくない。
10代前半のくせして変に世間が見えているし、現在に足がついてる年でもないのに先ばかり読む、しかも当たってる。子供を経てきた大人の目から見るとちょっとリアリティがない。

 でもカサヰケンイチ監督の手を入れると、あら不思議。
サイコーとシュージンは、人生やや色々あって大人びているけれど、未だ中学生の自分にもそれなりに振り回されてる少年二人組に。同級生よりはちょっと賢いかもしれないけど、「俺たちって賢いよな」と言っちゃうノリに適度な厨二病(※)の香り。

(※)だいたい中二くらいの少年がすべからく「俺って他の奴とは違う!」という思い込みに侵される病

そしてこの漫画の最大の問題点として、恋愛描写が異様に不自然。
サイコーが亜豆を好きだという設定までは頭で理解していても、そういうシチュエーションになった時に全然感情移入できない。というか亜豆なんでサイコ-好きなの?いやそれ以前に本当に好きなの?というか両思いしてる時ってこういう感じにはならないよね?
と、頭の中に「?」が飛びまくって集中できない。

それがカサヰケンイチ監督の演出だと、もう、なんとも言えず恥ずかしい中学生の恋愛に大化け。
私はアニメを見て初めて、「サイコーって亜豆のこと、こういう風に好きだったんだ・・・」と目から鱗が落ちるように思いました。


といっても、原作とアニメで特にストーリーもおおまかな台詞も違うわけではないんですが。

でもシュージンが「亜豆の隣の席、慣れた?」に続けて「好きな女の隣なんだから幸せなんだろ-」と一言挟んでくる所とか、サイコーと亜豆の授業中の筆談を「なんだよその至近距離遠距離恋愛~」とちゃかしてくるシュージンに「幸せなんだからいーじゃん」とスネるサイコーとか、その原作にない本当に微妙な演出で、もう印象が全然違う。
カサヰケンイチ監督の、少年像や恋心の描き方の恐ろしいほどの力量にひれ伏すばかりです。

原作は原作でもちろん面白いんですが、私にとってアニメの「バクマン。」はあまりに理想通りで完璧すぎるので、カサヰケンイチ監督には何としてでも、原作が終わるその時までを完璧にアニメ化して頂きたいと切に願っています。

アニメは作中の「超ヒーロー伝説」をアニメ化したり「ふたつの地球」を実際に漫画化したりと盛りだくさんなので、むしろこれを原作を補完した完全版だと銘打ってくれないかな!制作が延長されたら一話丸々「ラッコ11号」の回が必ずあるはず!と思うと夢は尽きません。

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2010.08.16

アニメ「四畳半神話大系」

放送はとっくに終わってしまったのですが、ノイタミナのアニメ「四畳半神話大系」がもう、驚くほど良いアニメでした。

「四畳半神話大系」は森見登美彦さんの作品の中でもかなり地味な作品なので、森見登美彦さんが好きな故に制作発表時には「なぜ…」と思い。
中村佑介さんのキャラクター原案も、中村佑介さんの絵が好きな故に「それは動かせないのでは…」と思い。

うっすらと不安だけを感じて見始めたのですが、予想とまったく違う、というか「こんなアニメちょっと見たことない」系の斬新さでした。いや、話は地味なんですけど。


そもそも「四畳半神話大系」というのは、ただでさえダメになりがちな大学生の中でもずば抜けたダメさを発揮する「私」が、四畳半の借間をスタート地点としてキャンパスライフを開始するも、壊滅的なまでの惨状でバッドエンドを迎え、「あの時違う道を選んでいれば・・・」と思うたびにリセットされてイチからキャンパスライフをやり直す…という話で、それだけやり直せば一度くらい人も羨むような花道を歩んでもよさそうなものなのに、あらゆる道で微塵も輝かない、全編に渡って清々しいほど華々しくない物語なのです。

それが、アニメ第一話、開始5分で実写と合成したオープニングが流れたときにはもう、「これは絶対に面白い」と確信するほどの出来。
「『四畳半神話大系』アニメ化」と聞いて、だいたいの完成図を予想して見ている人のアゴを全部外してやろうとする、制作者のニヤニヤ顔が透けて見えるような小気味良さでした。


2話ではいきなり主人公がほぼ全裸で登場したのですが

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こんなにも大胆に脱いでいて、こんなにも差し障りのない雰囲気を漂わせる全裸ってのも鮮やかだと思いました。
ある意味「東のエデン」と真っ対照。


OP・EDの曲といい映像といい、同じことの繰り返しを飽きさせずに見せる作りといい、まったく美しくない日々だけを重ねたのになぜか感動の渦に巻き込まれる最終回といい、パーツのひとつひとつも全体の組み合わせのバランスも奇跡のような作品でしたが、特に主人公の「私」役の浅沼晋太郎さんの演技は素晴らしかったです。
普通なら台詞の多さに溺れそうなモノローグを、立て板に水で口上師のようにこなし、クライマックスの第10話では30分全てが浅沼さんの語りという物凄さ。

2話を越える壮絶な全裸を披露した最終話の裏ではUstreamで本人が出演し、「こんな長い時間全裸になったのは初めてだ。木村良平(「東のエデン」の滝沢朗役。知り合いらしい)にも言わないといけない」という麗しいコメントをつけておられました。

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もちろん、アニメにおいて何故か萌えキャラ扱いされる羽目になった小津、坂本真綾さんが「ぎょえええええ」の悲鳴をキメた明石さんなど、キャラ全員の素晴らしさは決して原作だけの力ではなかったです。


こんなに誉めてても、おそらく見て好きになった人の八割が「これは広くは流行らない」と思っていたと思うのですが、現代のアニメの裾野が広いからこそ、こういうものが1クール使って作れるのだなあと感心しました。本物の良作でした。


ちなみにコミケでは、「また阿呆なものを手に入れましたね」 「お前のせいで有意義なコミケが台無しになってしまった」という台詞付きのDVD宣伝用描き下ろしポスターが飾られていました。

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2010.06.18

「四畳半神話大系プレミアムショップ」

東のエデン時代からたいそうお世話になっているパルコミュージアムさんが、渋谷パルコパート3 5Fで6月15日(火)~6月21日(月)限定で「四畳半神話大系プレミアムショップ」を開いてらっしゃいましてよ。

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「モリカゲシャツ」謹製の「明石さんのシャツ」がお出迎え。
モリカゲシャツの中の人は、ブログでコスプレまでやっちゃってるんだよ。張り切りすぎだよこのコラボ。

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そんなショップでは、開店初日から「ペンギン・ハイウェイ」購入者に森見登美彦さんのサイン会参加券の配布がありまして、ちゃっかり入手してしまいました。 楽しみ。

写真のもちぐまんは、開店当初は三色あったんだけど瞬殺で在庫が切れたそうで、最終的には5色を通信販売で販売するとか。一色落として四畳半にひきこもっている青年を釣るのも乙かしら。

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2009.10.01

グッバイ、ニコロデオン

なんとなくスポンジ・ボブを応援していることにかけては、ブログ界でも一、二を争うのではないか(主にいいかげんさにおいて)と思うこのブログですが。

なんと、スポンジ・ボブの本家放送局であるニコロデオンが、2009年9月30日に、日本では放送終了になってしまいました。


ニコロデオンというのはそもそもアメリカ発のケーブルテレビのチャンネル名で、主にスポンジボブを放送しています。もちろんスポンジボブ以外も放送しているのですが、せいぜい知られていて「ドーラ」くらいじゃないでしょうか。

といっても、スポンジボブを見ているほとんどの人は、NHKで見ていると思います。
ドーラも、たいていの人はテレビ東京で見ているのではないでしょうか。

じゃあわざわざニコロデオン見なくて良いんじゃない?
という流れでチャンネルが消えたのかなと!


スポンジボブ自体は日本でもMTVが引き取って放送を続けてくれるそうで、ちゃんとホームページでも壁紙の更新などを続けてくれています。アメリカではもちろん続いている長寿アニメなので、またNHKで放送する可能性もあるのでは?と思ってます。
しかしよりにもよって10周年に放送局が潰れる、とはね。アニメ内のブラックジョーク並みに酷い。

ここまで言っておいて何ですが、ニコロデオン、私も契約してません。ごめん!ごめんね本当!!
でもアメリカ行って倒れた時に、アメリカのNickで見慣れたスポンジボブを物淋しく見たことは忘れません。切ない思い出です。スポンジなのに。

そしてそれだけではなく。
うちの、スポンジボブなんかどこにいるのか分からないブログに、ニコロデオンがコメントしに来てくれたことがあるのです。この記事!すいませんね自慢しちゃえ!

このブログも長いことやってますが、本家本元がこういう形で来てくださったのは、これが最初で最後です。
もちろんこれ、本物か分からないんですけど(だからどう返事して良いのか分からず・・・)、ちょっと嬉しかったのです。


でも結局、契約することなく本家が終了したんですけどね・・・(目を逸らしながら)。
またアメリカ行った時には見るからよろしくね。

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2009.09.20

リブロ池袋「羽海野チカさん原画展」

リブロ池袋の羽海野チカさん原画展に行ってきたよ!

当然のごとく撮影はご遠慮くださいだったけど、10数枚の「3月のライオン」の羽海野さん生原画が見れて嬉しかったです。
原画展といっても、世間では複製原画の時も多いんですよ。
今回は本当の本物で、水彩画なんかこんなところに展示して色あせないかしら!?と思ってしまうくらいでした。
カラーは冷蔵庫のひなちゃん、プールで遊ぶ川本三姉妹、三巻表紙。

白黒原稿は、扉絵が、背景とキャラを別の原稿用紙に描いてから、背景の原稿用紙をキャラの形に切り抜いて上から貼ってあるのに相当驚きました。いや切り貼りしてあること自体は驚かないですけど、キャラの形に原稿用紙を切ってあるところがね!その工作技術!!しかも景色のある扉絵毎回!!
トーン抜くよりかなり難しくない?ライトボックスで照らして切ってたら絶対何度もライトボックス切ってると思うけど、実際どうやってるんだろうなぁ。

chapter30の扉絵の右端の高橋くんが、原稿用紙が足りなかったらしく3センチくらい高橋君分だけ紙を足して描いてあって、そのさらに全体を一回り大きい原稿用紙で裏から貼ってあったりして、わざわざこれを展示するということは、この原稿の男らしさを突っ込んで欲しいということなんだろうなあ、としみじみしました。質実剛健!!


展示絵は今回は羽海野さん直々セレクション!で、二巻最後の零くんが叫んでる名シーンなども入れつつ、主要キャラをたくさん揃えてくれてて見応えがありました。松永さんのアップなんて渋い選択だ・・・。

おこたでの年越しとか、「ほぼ別の漫画になってる」二海堂とか、ニャーでいっぱいの将棋盤とか、ひなちゃんが零くんの眼鏡を外すところとか、原画そのものよりも選んでるウミノさんの顔が見えるようで、とっても楽しかったです。
やっぱり眼鏡ですよね!


ちなみにリブロのウミノさんコーナーには、しっかり東のエデンも展開してました。

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2009.08.22

羽海野チカさん原画展があるらしい

リブロ池袋本店で、羽海野チカさんの原画展を開催中!らしい!!

既に今日から始まっていて2009/9/23までとか。
行かねば!行かねば!すぐには無理だけど開催期間長くて助かった。

ついでに、結局どこにも見に行けなかったスガシカオさんと杏さんの3月のライオンポスターが貼られていることを祈りつつ!
あのポスターこそ、ポストカードなり何なりで手元に欲しかったな・・・。

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2009.08.20

ウミノさんの「3月のライオン」三巻

3月のライオン、本当は連載中に読みたいんだけど、ヤングアニマルのハードルは高く・・・。
そして単行本で読むと、ひとつひとつの話を自分の中に収めるのに何度も読んでしまって、それでもまだ足りないような気がします。ハチクロもそうだけど、時間が経って自分が変わると、また違う読み方も出来るんですよね。

しかしまあ、とりあえず発売したばかりなので発売直後の感想など書き留めておこうかと。

というわけで羽海野チカさん著、3月のライオン3巻。
あらすじは・・・零くんが正月に風邪を引いてから、島田さんの研究会に入るまでの話。
おおお何一つ説明できてる気がしないぜ・・・。

川本家の台所とか風呂とか、おせちとか猫とかが大好きであります。
あとはお化粧してきれいな服を着たあかりさんがもっと出ればいいのに。ヤングアニマルにおける3月のライオンの一番人気キャラは、あかりさんか?と思ってるけど、あの前ボタンが閉まりきらない服を常に装備していらっしゃる様は、女性的にもたまらないものがあります。
カラーポスターのヒナちゃんのハミ尻(すいません)もいいですけどね!あのポスターの回だけヤングアニマル買ってしまった。まんまと・・・。
といいつつ、本命は「よじよじ」のモモちゃんです。


まあそんな前振りはともかく3巻のすごさに戦慄したので、それを上手く書けるかやってみます。

3巻の一番すごいわ!と思ったのは二海堂が、桐山(零)に頭をカチ割られて「救われた」くだりでした。

「オレより強いヤツがいる
オレより努力した人間がいる
オレは独りぼっちじゃないんだ」

これはその手前の「弱い相手が全て努力を放棄した卑怯者に思えてイライラした」という言葉から繋がってくるんですが、この気持ちが分かるか分からないかって、結構人生の生き方にも左右される気がしますが。

ただこの漫画に限るなら、このセリフは確実に2巻最後の零の「弱いのが悪いんじゃんか」「弱いヤツには用はねーんだよっっっ」に重なってる言葉だと思うわけです。
努力してないくせに、負けたのを人のせいにして。
そしてそう思う自分を、ヒトを喰いちぎる獣のようだと感じる苦しさ。

その苦しみが、二海堂によって「自我のカタマリになり果てる」と言い替えられる。
それは誰かが頭をカチ割ってやらないと救えないのだと。彼より強く、彼より努力した人間が。

そうして零は、島田さんの勝った姿にそれを見る。
獣になり果てると思ったその道のまだ先、遙か遠い場所、その果てに独り立っている人の姿を。


この感情を零は「胸の中がグシャグシャになった」と言っているわけですが、それはつまり「オレは独りぼっちじゃないんだ」ということが零の中で分かった瞬間なわけですよ。
ヘレンケラーでいう「water」の瞬間ですよ!(いきなり話題を落としたくなるのはウミノファンの仕様です)


1巻と2巻は何となく漠然とした話だったのが、3巻で美しい将棋の棋譜のごとき組み立て方でラストになだれ込んだのは、手が震えるほど感動しました。


しかもこの零の「water」にはもう一個、それが単行本で読んでたら絶対泣かざるを得ない「一人じゃどうにもならなくなったら誰かに頼れ でないと実は誰もお前にも頼れないんだ」という言葉が織られているわけで。

これ、この言葉だけでも秀逸だと思うんですが、この話の中では「いつでも誰にでも頼ってもいいんだよ」みたいな優しい言葉では全然ないですよ。

島田さんが研究会に零を誘うのを、「自分で行ってくるのを待つしかない」と言ってるように、「頼ることすら努力しないといけない」ということなんですよ。

だから・・・一生懸命ひたすら頑張ってれば、ピンチになった時、その姿を見た誰かが自然と助けてくれる!みたいな・・・まあ他の漫画を比較するために挙げるのは変だけど、あえて挙げてバクマンとかサマーウォーズとか(どっちも作品としてはいいんですよ!最近流行りのってことで)みたいな感じが世間の物語では多いと思うんですが。


ウミノさんは違うんですよ。自分が頑張ってて、さらにそんな自分を見てくれてて、助けてもいいって思ってくれる人がこの世にいるとしても、その人に助けてもらうためには、自分から手を伸ばして助けを求める過程が必要だって言ってるんだと思うんですよ。

でも実際、現実を生きてて、「こんなに頑張ってるのにどうして誰も助けてくれないんだ・・・」と思ってる人、思う瞬間ってあると思うんですが。
「お前が助けを求めんからじゃー!」(意訳)とウミノさん(漢)は言っておられるのだと思います。いやそこまでは言ってないにしてもさ。
ウミノさんが漫画で言ってることは全部、説教じゃなくて自責ですよNE☆


ヤングアニマルで三浦健太郎が三月のライオンに、「今、アニマルで、一番男らしい漫画ですよ。」という言葉を寄せておられますが。
この飄々と自分の好きに生きるのが格好いい風潮の21世紀で、頑張っていいんだ、それで努力したのにみっともないことにしかならなくてもいいんだ、それが辛くなれば誰かに頼ってもいいんだ、と石版に一つ一つ文字を刻むように描いてらっしゃるウミノさんは本当にすごいと思います。
こういう漫画が現在進行形で一つはないと、思う通りにならない現実、生きにくいよ。

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2009.08.12

「3月のライオン」のライオン新聞

ついに本日、羽海野チカさんの3月のライオン3巻が発売☆ですよ!

今回は、BOOK EXPRESSで買うとシールがついてくるよ!という情報で買いに行ったのですが、本を開けてみると、「ライオン新聞」なる謎の紙が・・・。

Marchlion_3

コピーとはいえ、ウミノさん自作という・・・うおおい!
これってたまたまシールで提携してる本屋だから入ってたんでしょうか!?

3月のライオンは、1、2巻の時も本屋によっては、サイトで配布されている空想お散歩MAPをわざわざコピーで本に挟んでくれたりして、「うちがウミノさんを最も愛してる本屋だぜ合戦」のようなものが行われていたりするのですが、まさか今回はこんなお宝が・・・!

しかもVOL.1って書いてある!次もあるのか!?


本自体は、もう10回くらい読まないともったいなすぎて感想が書けません!
こんな漫画が世の中で現在進行形で綴られてることに感動する。

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