2009.06.28

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」

ははははははは(笑)

って感じ。
といっても馬鹿にしてるんじゃなく、「これ作れるんなら、この15年は何だったんだよ(笑)」みたいな感じでしょうか。

よくできてる。よくできすぎてる。
そんなのエヴァじゃない!とでも言うべきでしょうか。
「序」は所詮金を稼ぐためのリメイクだろうくらいに思っていたのですが、「破」の前日にDVDを見ると、そっちがまず破綻なく出来がいい。それを見た時から不審には思っていました。


エヴァが格好いい。巨大なモノが暴れ回るのが好きな少年達が、大人になって全力でディティールに磨きをかけて作ってる目の輝きまで見えてきそうな感じ。
CGと使徒の相性も恐ろしくいい。というか、まさにCG技術が出来てから作るべき作品だったんじゃないかと思うくらい、CGの使い方がハマっている。

そして旧作での扱いが何より恐ろしい、主人公達の精神状態の遷移の描写。
普通に上手い。普通にいい話。テーマや言いたいことが下敷きにあって、それを説教にならない程度に踏まえながらエンタテイメントとして成り立たせている。
そんな感想を書かせるのはエヴァじゃない。

いや、いいんですけどね、それで!

でも初めてエヴァを見たのが、アスカがバスタブで自我を喪失している回で、その後の紙芝居最終回から総集編映画、「きもちわるい」に至る全ての黒歴史を横目で見てきた人間としては、何となく、こう・・・。
「最初からこれ(今の映画)なら、人生を踏み外さなかった若者も多かったろうに」と思ってしまったりして。

庵野監督はエヴァで大量に病んだオタクが釣れて辟易した(注:こんな言い方はしてません)みたいに言ってたけど、エヴァでアニメの歴史だのファンの人生だのがけっこうな角度で曲がってしまったという現実を・・・何とか、こう・・・・・・だからやり直してるんだって言われそうだけど、新作はちょっと眩しすぎる
エロいプラグスーツくらいじゃ誤魔化されない(でもガン見)。


これはやはり、嫁効果なのかなあ。

破綻が売りの庵野ワールドが、リアルで職人気質が売りの安野ワールドに壮大な影響を受けて、こうなったんだろうか?

まあしかし、途中まで神がかってるのは庵野監督の得意技なので、完結するまでは期待?を捨ててはいけないと思いますが。
それにしたってエロ風味も気持ち悪さもJ-POPのBGMも、狙って仕組んで当たってる感が、他の人がやったんなら天才かと思うだろうけど、庵野監督にやられると、微妙に割り切れない感。
「見て損はない」と書かなきゃいけないだけで「何か違う」感。

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2009.03.22

青春映画「ハルフウェイ」

「ハルフウェイ」
岩井俊二と小林武史の連名があったので、「スワロウテイル」「リリイ・シュシュのすべて」の流れを汲む映画かと思っていたら、メインである監督は「ロンバケ」の北川悦吏子さんでした。

20世紀のメディアでは、「ロンバケ」を知らぬ者は人に非ず、という感じで、テレビを見ていても「ロンバケ」と出すだけで「ああ、あの!」と視聴者が思っていることが前提である空気がずっとありました。21世紀の少年少女はロンバケなんて言われてもピンと来ないでしょう。住みやすい時代になったものです。

そんなことはどうでもいいですが。


「ハルフウェイ」は青春映画。
主人公の男の子(シュウ)と女の子(ヒロ)はどちらも高校三年生。片思いから告白を経て交際した二人が、受験を境に遠距離になるかどうかで揺れるストーリー。といってもこのあらすじでは、この映画をほとんど説明してないに近いけれど。

すごく盛り上がるところがあるわけではない。醜さや汚さもない。どうようもなくキラキラしていてもどかしい、まさに青春、これが青春!みたいなモノのカタマリが、上の方から落としたままの形に下の方に山となって積み重なっていくような物語。


マンガ「ハチミツとクローバー」をお読みのあなたなら、「主役二人が青春スーツ着用」といえば生々しく分って頂けると思います。まさにギャグによる逃げのないハチクロのごとし・・・野宮のように一度悟りを開いた大人には、身に覚えのある恥ずかしさが蘇って直視しきれない恐ろしい映画。


映画は脚本をほとんど無視で、セリフはアドリブによって構成されているらしいです。
その設定「ザ・マジックアワー」で見たよ?(注:こっちは設定じゃない)

岩井俊二監督じゃないけど、なんとなく雰囲気は岩井俊二の撮る映画に似てる。小林武史は映画プロデューサーとして何をしてたのかは知らないけど、Salyuの歌う主題歌「HALFWAY」は怖いくらい良い。最近のSalyuのプロデュースは違う人だったのだけれど、こうやって何作かに一度は小林武史が戻ってくるといいのに。


映画を見ながら泣きそうな気持で思ったのは、「ヒロが『可愛い女の子』なら、どおりで私の高校時代がパッとしなかったはずだ」でした。「思ってることを言わずにいられない」のが若者の特権なら、もっと言っとけばよかった。若くして物の通りを考えたり何にでも気を使えるよう努力してるようじゃ、こんな映画の主役にはなれない。
もっと自分も他人も切り裂いて、夕陽に向かって叫ぶように生きればよかった。

でも人生にはエンディングロールのその後があるからな!
と自戒して帰りました。


短くて、さしたるクライマックスもフィナーレもないような映画ですが、ラストシーンが本当に良いです。
たった一瞬を刻むためにそのほかの全てがあるのが良い映画なら、良い映画と呼ぶに足りる作品だと思います。
あまりに恥ずかしかったので二度は見れませんが。

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2009.03.18

うっかり「DRAGONBALL EVOLUTION」

「ドラゴンボール エボリューション」、うっかり見てしまいました。別に見たかったわけじゃないのに・・・(一見ツンデレのように見せかけて心底・・・)。いや本当なりゆきで見てしまったけど、見たい見たくないよりどっちかっていうと興味無かったし・・・って観劇者に言い訳させんなYO!(逆切れ)

こんなこと言ってるけど、映画がつまんないかというと別にそんなことはないです。
そこそこ普通の映画というか。設定がアニメ由来だから不自然だけど、やってることは王道の「攻めてくる人外の敵から世界を救う使命を背負った少年と、それを支える人々の物語」。CGもきちんと作ってあるし、セットなど特に安っぽさもないし、話そのものに大した矛盾はないし、ま、こういう映画あるある!みたいな。

「ドラゴンボール」じゃないけど。

でも思うんです。
「ドラゴンボール」だと思うからいけないんじゃないか?

例えば「ドラゴンボール」そのものが西遊記が元ネタなわけですが、だからって「ドラゴンボール」の孫悟空に「なんで天竺目指さないんだよ!」って言うのはお門違いじゃないですか。映画もそういう感じ。
だって、なんとか原作と何とかダブらせられそうなのがブルマくらい・・・。映画製作途中は「エロくない亀仙人で不評」と批判されてたんですが、それは一応それなりにエロい設定に変わってたんですが、もはやそういう問題じゃない。

あなたは「ドラゴンボール」の亀仙人を見て「こんなの三蔵法師じゃない」と言ってる人を見たら、頭がおかしいと思うでしょう。
「ドラゴンボール エボリューション」を見て「ドラゴンボールじゃない!」と言ってる人の微妙さもそんな感じ。

タイトルは「DRAGONBALL」ってついてるけど!

だってもう・・・違うとか違わないとか言うより同じところを探す方が難しいですよ?7つ集めたら龍出るところまではギリギリ死守してるけど、ドラゴンボール終了以降そんなパロディ作品死ぬほど見た。


そして、「ドラゴンボール」だということを抜きにして見てみると。

上映時間、87分。

・・・何かを映像で深く語るにはあまりにも短く・・・短いがゆえに特に苦痛を感じるようなくだらない展開もなく、短いわりに派手なシーン多いし、ハリウッドなんてCGだけでストーリーない作品多いから、比べると遜色ないかなと。

感想まとめ
・1800円は高い
・ドラゴンボールファンの人は近寄らない
・ドラゴンボールファンの友人の観劇についていかない
・ドラゴンボールファンの人が見た感想も聞かない
・観劇時のポップコーンとジュースはSサイズで良い

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2008.03.01

「L change the WorLd」


すごい茶番劇だったね!!!

いやーあれだけのものを見たのは久々だったのでびっくりしました。特に教授が死ぬあたりの茶番っぽさはものすごい。こっちが教授や娘さんに何の思い入れも抱かないうちに主役級の派手さで死なれると、逆に見てる方が恥ずかしかった。

それに「ウイルス兵器を出そう」→「ウイルスにはミッドカインが効くらしい」→「MK蛋白はタイ人に多いらしい!」→「よし!タイ人出しとけ!」
みたいな「オチから逆算して作ってます」のが見え見えなのもどうかという話ですよ。今どきバイオ関係者なんて死ぬほど多いんだから、実在のウイルス名とかタンパク名出すのがどれほど嘘くささを増しているかというのもよく考えるべき。「ミッションインポッシブル2」みたいに架空のウイルスの謎のワクチンにしておけばいいのに。
(一応詳しくない人のために補足。ミッドカインというのはサイトカインの一種である塩基性タンパクで、現在までの研究では「体内で減りすぎると虚血性疾患、増えすぎると癌や自己免疫疾患になる」と言われている。つまり専門的なことは置いておいても、MK蛋白をヒトに多量に打つと恐らくガンになるわけで、おすすめしない)


でもわざわざタイでロケしたり、飛行機やヘリ借り切ったり、前の映画で当てて予算が増えましたというのが全面に押し出せているのは良かった・・・かな?前の前後編はあまりに安っぽかったし。まあ、藤原竜也分とリューク(CG)分の予算が少なくてすんだ(一瞬しか出ない)ということかもしれないけど。

しかし松山ケンイチは本当、あれだけ演技がうまいのに仕事(シナリオ)選ばなくて、ある意味えらい。この映画、松ケンなしではとても見れない。原作には存在しない彼の編み出した『Lダッシュ』『Lジャンプ』は後世に語り継がれるべきだと思います。



それにしても、別にニアがタイ人でも構わないけど、ニアだけ出すのはちょっとメロに対して失礼じゃないかな~。
それだけ原作と別物という姿勢を貫いているということで良いのかもしれないけど。
(誰しも知っていることだけど原作のニアはNate=Riverさんであり、「Near」という単語とは何の関係もない。きっと映画にメロがいたら「Mellow」から取った、とかいうことになってるのでしょう)
映画公開と同時にジャンプに載ったデスノート番外編で、わざわざニアが「Lと話したことが一度だけある(ネットで音声のみ)」というシーンがあって、ちょっと映画との違いに言及しておきたかったのかな~・・・と思うのは深読みかなあ。

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2008.01.08

ドラマ・ハチミツとクローバー

うーん

うーん

うーん

アウトーーーーーーーー!!!

と思ったドラマ「ハチミツとクローバー」初回でございました。これは~ダメだわ。

何がダメと言ってもう脚本というか演出というかが根本的にまずいのではというのはさておき、成海璃子。
いや成海璃子のはぐちゃんも悪くはないのかもしれないんだけど・・・。
映画が、蒼井優なんですもん。
成海璃子を見てから思うと、蒼井優は本当に、神がかってました。

「はぐみ」というキャラは、漫画から立ち上げるのがものすごく難しいとは思うんですが(原作者のウミノ先生が一番似てるそうな)、蒼井優のはぐちゃんが、「こういう実在の人物を漫画にしたらはぐみになるだろう」という形を完璧に作り上げていたので、映画の時は逆に何の不思議も感じずに見てしまっていたのです。今、成海璃子を見ると!はぐちゃんがタダの普通の(ちょっと変な程度の)美大生に!!うーん、どうなの!?

そして、映画で非難ごうごうだった(※)森田先輩も、ドラマでは普通の(ちょっと才能ある程度の)美大生に!!!
今から思えば、映画の伊勢谷友介の「本物の元美大生」という経歴が、森田さんの妙な感じにうまくはまっていたんだなあ。伊勢谷友介は彫刻彫ってても違和感無いけど(映画の中の龍の絵なんか本人の直筆だし)、成宮寛貴~彫らなさそう!大作作らなさそう。うっかり7年で卒業しそう。

(※)映画の森田先輩=「漫画の森田先輩」-「可愛さ」
そんなの森田じゃねえ!という全国の乙女からのつっこみが聞こえそうな。

眼鏡の優男なら誰でも真山がハマリ役になるよね~なんて思いつつ向井理はまあ良し。
竹本くんとあゆは誠実に演じてくれれば満足。
キム兄がローマイヤ先輩でも別に構わないけど、キム兄を生かそうとしてドラマが寒くなってる感は否めない。
滝沢沙織の美和子さんは、漫画から出てきたのかと思って吹いた。あんなに似せんで良い!あゆのお父さんが泉谷しげるというのも笑った。に、にている・・・おそろしい。

はぐの描く絵が、映画だとMAYA MAXXのとてつもなく不思議な絵なんだけど、ドラマではどんな絵を出すのかと思いきや、ものすごい大きな凝った桜の絵が出てきた。さすがに森田が「心を動かされた」と言っても違和感がなかった。あれは誰が描いてるんだろう。


で、来週からも見るかと言われると・・・。

・・・・・・見ないだろうなあ・・・・・・。

さっそく昨日の夜に再放送してたアニメのハチクロの録画を見て、口直しをしてしまいましたとさ。
正直、原作ファンから見てどうこうを置いておいても、ドラマとして面白くないんじゃないかと思うんですが。ど、どう?

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2007.03.04

映画「さくらん」

安野モヨコが、庵野監督と結婚して以降恐ろしいように売れているように思う。旦那の七光り効果と思いきや、どうも何かがふっきれた感が。自らがモテに縛られているうちは漫画家は半人前ということなのか。でも安野モヨコが描いてる漫画は昔からモテと近いようで遠いんだけど。

そしてそんな安野モヨコの原作に、蜷川幸雄の愛娘こと蜷川実花が監督を務め、さらにソロ活動を封印中の椎名林檎が音楽監督、主演が土屋アンナという、目玉が集まりすぎて船が山に登ってる感が薄々想像できてしまう映画こと「さくらん」

でも映像と音楽が見所だということは、ビデオで見ると映画館で見るよりさらに数倍後悔する、ということなんだ!

という長年の経験から嫌々(嫌っていうな)見てきました。

そうだね・・・オチが良くないかな
まあ身も蓋も無く言うなら脚本が総じて良くないんだけど。
でもソレを言うなら演技も良くないし・・・
それは監督がまずいからだと言えばその通りなんだけど。
わざわざこの映画に英語の歌詞の曲を流す意味もないよね。


それにしても、漫画では背筋が逆立つような、きよ葉の恋や愛の恐ろしさが、見事にぼやーんとした感じに化けてたのが、ちょっとしたマジックのようで凄いと思いました。アンナが脱ぎ足りないのか。しかし菅野美穂と木村佳乃のあまりにも男前な脱ぎシーンでは、ストーリーがなんだかもうどうでも良く思えるくらいなので、脱げばいいってもんじゃないとも思うんですが。

とりあえず映像だけは本当に、もう本当に、素晴らしいです。ここ強調しとかないと何のための映画だったのか分からないしね!映像のこの世のものとも思えないような美しさと、吉原のおどろおどろしい女の世界って、対比させるだけで名作と生り得る組み合わせだと思うのに、なんでこんなに失敗しているのか。


それは・・・多分、物語の「暗さ」が、蜷川実花の撮る色彩に対抗できるほど恐ろしいものではなかった、ということなのかなあ。だって色恋渦巻く女の世界のクライマックスが「結婚」と「赤ちゃん」て!ソレ既におかんの物語やないか!

物語は原作の続きに期待するとして、めくるめく映像と土屋アンナのにやり、菅野美穂と木村佳乃のを堪能すると割り切れば何とか持ちこたえられると思いますので、これから見る方には頑張ってもらいたいです。

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2006.11.06

「デスノート the Last name」

このタイミングで前編をTV放送するとは・・・DVDの売り上げを捨てて、後編に賭ける心意気に感動しました。
しかしその前編は、原作ファン参加型にしようとエキストラを一般人から募集して撮影したら、イナガキゴローに「エキストラがダメ。隅々までちゃんとしていないと…」と言われる始末。大丈夫かデスノート(映画)!

そんなわけで早く見た物勝ちの後編。
・・・・・・うん、意外と、意外と面白いよ!これならまあ大丈夫!Lの上目遣いの白目の剥き具合なんてすごくいい感じ!前編と比べて良くなってるかと言うと・・・見てる間はすごく面白くて、後でじわじわとつっこみがこみあげてくるあたりは似たようなもんです。

だってLの取った最終手段はLにしては稚拙だし、月は少なくとも家族に対しては愛情を持っている、という基本設定も破ってるし、出てくる女性が基本的に頭が悪いし(前編の南空ナオミの改変が悔やまれる)・・・。でも普通に映画としては面白い。脚本を書いてるのが大場つぐみじゃないんだから、それ以上のことを期待するのは荷が重いだろう。何と言っても映画だから無難になるのはしょうがない!うむ!まあ無難とはいっても、最後の盛り上がりは必見です。

何より特筆すべきなのは、海砂が可愛い!ということ。戸田恵梨香頑張った!前編でちらっと出てきたときは「ハズレキャスティングでは・・・」と本気で心配したけれど、拘束されているところなんか堂に入ってます。粧裕ちゃんも可愛いし、高田さんの脚線美はもう素晴らしいの一言!片瀬那奈グッジョブ!女性陣は見栄えのいいところ揃い。いいね!いいね!原作と比べて役に立ってない事この上ないけど。あと板尾創路出てきてびっくりした。

原作を読んでない人が、デスノートのルールを理解できれてば、とりあえず映画としては成功しているのではと思います。やっぱり原作の面白さが八割支えている感は否めない。

しかし原作者の小畑健氏が逮捕されたのと同様、この映画でもリューク役の中村獅童が逮捕されたり離婚危機だったりと延々と不幸に遭っていたり、それどころか撮影監督まで亡くなっている・・・という不幸に(不幸で済ませていいのか)見舞われているあたり、やはりデスノートはデスノートに違いない、と思う。というか本当急死はびっくりした。ツタンカーメンでもあるまいに、この作品のどこにそんな力が・・・!




結局、あの最後をどう捉えるかなんですよね・・・。見た人とがっつり話してみたい。
私の完全ネタバレ考察

・自分の命を差し出して悪を捕らえる、は稚拙(「月が死神の目の取引をする」と同レベル)。口ではどう言っていてもLは勝算のない勝負には出ないと思うし、相打ちなんてみっともないことはしないのではないか?

・さらに「自分の覚悟を見せて夜神総一郎を説得」なんて情に訴えかけるようなこともしなさそう。Lは人の下手には出ない。

・「ミサの監視を外すと言って実は外してませんでしたー!」というのは、生きるか死ぬかの勝負では普通やってもおかしくないが、Lは外すと言えば外す。ミサが愛してると言った月を絶対裏切らないように、デスノート(特にL編)では、キャラは妙に有言実行なところがある。逆にそういう裏切りがあっても良しとするなら、物語にもっと分岐点はあったと思う。そこだけ騙してもなー。

・あんな監視カメラと盗聴器だらけの建物の中で、例えLあたりを全員デスノートで殺してても、月が隙のある言動をするとは思えない。奴は監視カメラの死角でなんだかんだするのは得意だが、カメラ映りは気にする方だ。

・Lと月とレムが三人残っててLとレムが死んだら、どう見ても月が怪しい。例えどうやったのかは分からなくても、誰が見ても月が何かやったのはバレバレ。ミサのことは他の人には内緒にしてたわけだから、レムがLを殺したと言い張ったところで意図が不明だし。原作のように見物人が沢山居る場で起こってこそ意味があるのでは・・・。

・死んだフリに騙される月もイヤだが死んだフリをするLもイヤだ。低レベルの争いだなー。松田じゃないんだから。

・Lは自分が死ぬ時期が分かってたら、死体が人目に付かない所で死ぬと思う。猫は飼い主に死に際を見せないというし・・・・・じゃなくて、人体って証拠の山だから(指紋や虹彩はもちろん、DNAなんかも)。心臓麻痺直後の遺体の臓器なんてどう使われるか分からないし…今では、死体から精子を取り出して子供を作る、なんてことも可能だし(Lクローンは現代の医学では作れないがL二世なら作れる)。原作みたいに唐突に死ぬんならしょうがないけど。

・ミサが月が死んでいるのに元気そうなのが不満です。

重箱の隅をつつくとキリがないのですが。

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2006.06.11

実写版「デスノート」

5月病も深まる土曜日、気晴らしに銀座で買い物でもするか~と歩き回った帰り、映画「デスノート」の先行上映に行き当たってしまった時は自分のアンテナの感度が怖くなりました。しかも上映直前なのにチケットが残ってるとはね・・・!何の情報もキャッチせずに行ったので、「本物のデスノート一日限り展示」見損ねました。ま、どうせ黒いノートだよな!


全体の感想としては・・・比較的地味です。デスノートという漫画の展開と台詞の多さから考えれば想像つくでしょうが、映像にしたところでそんなに動くところないよな!あと局長の帰宅シーンや、電車の中でのライトとレイのやり取りは当時鳥肌が立ったものでしたが、オチを知っていると淋しいものです。原作の記憶消して一から見たい。

そして、「DEATH NOTE」という漫画としては異色なストーリーや雰囲気を持つこの物語を漫画作品たらしめているのはリュークである、というのがしみじみ分かりました。ライトがノートで人を殺していく流れまでは、デスノートという設定が風変わりなだけで実写の方が漫画より緊迫感があるくらいなのですが、リューク登場で台無し。しょせん漫画の実写か・・・(遠い目)。

しかしデスノートという作品が、単に人殺しに取り付かれた青年が殺人道具を使って虐殺を行う物語にならないのは、ひとえにリュークの存在のおかげであるとも思いました。りんごしか食べない死神ってやっぱりいいよな。大体リュークが出なかったら画面が地味すぎて辛い

そしてリュークが出ているから、主演が藤原竜也でも「バトル・ロワイヤル」にならない。
俳優といえば、藤原竜也はともかくとしてLは!Lは大丈夫なのかーあのキャスティングはかなり難易度高いぞ!と思っていたら、松山ケンイチはかなりハマっていて逆に驚きました。や、彼は興行的に大ヒットだった実写版「NANA」で最大のミスキャストと言って過言でないと当時噂だったのですが、そりゃLがハマる人間にシンはハマらないよな・・・。たいへんキモ可愛くてステキでした。

ワタリ役の藤村俊二、夜神総一郎役の鹿賀丈史も相当にハマってはいたのですが、こんな映画に出てていいんですか感が拭えませんでした。


ストーリーは映画用に改変してるとはいえ、まあまあ原作の見たことあるようなシーンで構成されている感じ。唯一、ライトの彼女として詩織というオリジナルキャラが出てきて、この子にまつわるエピソードで後半30分くらいが大きく違っています。「正義のため」と言ってデスノートを使い始めるライトが、罪人でもないFBI捜査官を大量に殺して、その辺りから道を違えてくる・・・という流れをはっきり見せるという意味では良い展開のような気がしましたが、しかしそこまではっきりさせなくても良くないか?という気もして何ともです。

そしてオリジナルストーリー部分の南空ナオミは頭が悪そうでした。全てライトの策略にはまっているといえばそれまでですが、一応聡明なキャラなのに・・・。だいたい原作は、読者には考えもしないような罠を張り巡らせるライトと、その完璧な気の回しっぷりの有り得ないスキをついてくるL、という、大場つぐみの頭の中はどうなってるんだかなあ・・・な辺りが醍醐味なんですが、映画の脚本を書いた人の脳は所詮凡人レベルなようでした。映画のライトは原作のLと対峙したら一瞬で捕まりそうです。


色々書きましたが映画(邦画)としては・・・普通?漫画の実写化だったら上等な方?私自身がデスノートにそんなに思い入れがないので別にこんなもんだったらいいかなっていう・・・。

デスノートは原作のラスト二話に本当に感心しました。物語の『語りたいこと』に打たれたというか。あのラストに辿りつくまでデスノートという漫画がどういう話なのかははっきりしなかったし、それを見せるまでメディアミックスに持ち込むのを耐えたんだろうなあ・・・。個人的に思い入れていたわけではないですが、誕生から終幕までを見続けた感動は強いし、だからメディアミックスにもつきあってやってもいいかなあという。そんな感じです。

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2004.10.07

下弦の月

 Yahooでも大きく特集組んでますけど、「下弦の月」が映画化するんですよ。「下弦の月」って知ってます?「りぼん」で連載されてた真っ芯の少女漫画なんですけど。

 矢沢あいの漫画を選ぶにしても、よりにもよって「下弦の月」か!?と思わざるを得ないくらいなかなかにステキ漫画なのですが、「りぼん」連載時は女の子(蛍ちゃん)が主役だったのに、映画になったら当然といえば当然というかコギャル女子高生の望月美月役、栗山千明が主演。そして原作ではザコキャラの安西知己(苗字設定あったのか)こと成宮寛貴がもう片方の主演。

 Yahooが、「洋館の幽霊ことイヴは車に跳ねられて意識不明の望月美月の生霊デス」と物語の根幹をなすところのネタバレをさっくりやってくださってるので、たぶん原作の漫画と映画はそこそこストーリー進行も違うと思うのですが。でも原作でくっつかない小学生の蛍と正輝を、無理矢理くっつける気らしいのがスゴイです。大人は勝手だ・・・!

 それで映画公開を前にして、しっかりシナリオ暴露本が出てるので流し読んでみました。

 えーと。

 原作ではヤク中死してる幽霊ことアダムが、映画では投身自殺(だか事故落下・・・窪塚か?)で死んだことになってるよー!

 それから。

 原作では最後に生き返る美月は、事故にあった後のことを何も覚えてないんだけど、映画ではちゃんと上條さやかの生まれ変わりだという記憶まで残して生き返ることになってるよー!

 そんな颯爽としたネタバレをかましたところで、アダムは金髪碧眼の外人設定なのにHYDEを起用した映画制作側も大したものながら、キャストを一通り見てみたところで原作キャラと最も被っているのがそのHYDE、というところにこの映画の凄さを感じます。

 あ、ちなみに原作の「下弦の月」は、ジャンルで言うと最後脱力系。りぼんで連載時にかなり投げやりに終わって、コミックス収録時に描き足したのでマシにはなったらしいけど、それでもアダムがだらだら喋って終了、という、それまでの怒涛の展開で溢れた涙が自然と引く終わり方をするマンガです。そりゃ映画化と聞いたらネタバレの一つでもしてやらないと気がすまないって話ですよ。

 まあ同作者の「パラダイスキス」の最後脱力っぷりには負けるんですが、そっちは公式に「『こんなラスト納得いかない!苦情殺到!PARADICE KISS』」という売り文句で売ってるのでそれで良いようです。良いわけあるか!共通してるのが「途中までは異様なほど面白い」という点なので、最後のガッカリ感もひとしおです。書き直せー。

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2004.03.02

王の帰還

11冠だよなっち!ということで私が人生の八割を寝て過ごしている間に、周囲では着々と鑑賞済人口が増加し、ついにアカデミー11冠という大騒ぎになったロード・オブ・ザ・リング 王の帰還。見るなら今日!と敢行したものの映画館ガラガラでした頑張れアカデミー(タイタニックと同レベル扱いだし・・・)。以下原作既読者としてネタバレ無しの感想。

 三作目は話としても壮絶でして、でも私は原作読んでてアレやコレも知ってるからそんなに怖くは・・・って怖っ!怖い怖い怖怖怖怖っ怖怖ッ怖いよ馬鹿!(逆ギレ) 監督が偏執的に原作世界にこだわって恐怖まで3D再生(ひー)

 あらゆるものが原作を立体に起こしたそのままの世界、なのは話がどこまで進んでも完璧で、この時代にこの監督とこの技術に出会えて本当に幸せな物語だと思う。監督がこだわりすぎるあまり細部にかかってる金が半端でないらしいんだけど、この監督CGない時代に生まれてたら1/1ミナス・ティリス作ってそうなので、まだ安上がりで済んでよかったですよ本当。

 ラストも、原作がエンターテイメント映画っぽくない終わり方するんでどうなるんだろうと気にしてたけど、本当に原作通り終わった。そんで泣けた。泣くだけなら全編でさんざん泣いた。上手いなぁ。原作の情報量は膨大で、当然映画では削られてるんだけど、「コレだけは外せない」という所が重要瑣末関わらず絶対押さえてあって感動する。

 今回のは話も濃いし、作りも練ってあるし、三時間半は長いけど息をつく暇がないくらいあっという間に過ぎた。原作を一通り読んだ時は馴染んだ物語が終わってしまって悲しかったけど、それをもう一度新たに見せてもらって、笑うのも泣くのも新鮮に繰り返させてもらって本当に楽しかった(死ぬはずの人はもれなく2回死んで悲しさ倍増・・・泣)。それは製作者側が作品に抱いた愛の深さの表れで、フロドが指輪のために生まれてきたように、この監督もこの映画の為に生まれてきたのだろうと思う。一生にそう何度も出会えないような素晴らしい作品だった。

 真面目に書いたらつまんない文に・・・これだけ誉めててDVD買ってない私も・・・。二つの塔のスペシャル・エクステンデッド・エディション借りてきたから早速鑑賞します。この「撮る方は好きなだけ撮ったから趣味撮影の部分は金と愛のある人だけDVDで見てね!」という売り方も素敵。むしろSEEで3作通し上映したらそこそこ客来ると思うけど死者も出そう(10時間余裕超)。

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